働いていると、自分や家族の体調不良などで急な休みを取ることがあります。
特に病気を持つ人は、休めずに無理をすると長期間働けなくなったり、仕事を辞めることになったりするかもしれません。
長く働くためにも、できるだけ休みを取りやすい仕事を探したいですよね。休みが取りやすい仕事というと、正社員よりもパートを考える人が多いのではないでしょうか??本当にパートは休みが取りやすく、正社員は休みが取りにくいのでしょうか。
ここでは、パートと正社員のメリット、デメリットと、休みが取りやすい仕事を探す上で知っておくとよい4つの条件をお伝えします。
【目次】
パートと正社員の違い
労働基準法において、パートと正社員の区別はなくどちらも同じ「労働者」です。では、これらを区別するものは何でしょうか。それは、労働時間です。ここではパートと正社員の違いとそれぞれのメリットデメリットを解説します。
パートとは
『パートタイム・有期雇用労働法』という法律のなかで定められた短時間労働者をさします。厚生労働省によると、『1週間の所定労働時間が、同一の事業主に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者』をパートタイマー労働者といいます。
パート、アルバイト、契約社員など呼び方はさまざまですが、正社員よりも労働時間が短い人はパートタイマー労働者となります。
パートのメリット、デメリット
パートで働くメリットは、労働時間が短いことです。体力的に長い時間働くことが大変な人にとっては、大きなメリットになります。また、パートは正社員に比べ、勤務が月ごとのシフト制が多いこともメリットのひとつです。
通院や検査、手術など事前に決まっている予定は、シフトの希望を聞かれた際に伝えておけばよく、改まって上司に休みの相談をしなくて済みます。そのため、休みを取るときの精神的なストレスが少なくなるでしょう。
デメリットは、収入が安定しないことです。パートの給料は、時給で計算する場合がほとんどのため、働いた時間分に応じた給料が入ります。つまり、体調不良などで休んだり、早退したりすると労働時間が短くなり収入が減ってしまうのです。月に決まった出費がある場合は、休みや早退が多くなると出費に必要な稼ぎがないということにもなりかねません。
正社員とは
パートと異なり、正社員に法的な定義がありません。一般的には、会社の決めた所定労働時間働いている労働者をさします。雇用期間の定めはないところがほとんどです。
正社員のメリット、デメリット
正社員のメリットは、安定した収入が得られることです。パートと違い「無期雇用」であり、基本給も決まっているため毎月の収入が安定しています。生活していく中で、安定した雇用と収入は心強いものです。
デメリットは、労働時間が長いことです。労働基準法では、1日の労働時間を8時間以内、1週間の労働時間を40時間以内と定めています。多くの場合、9時間勤務で休憩1時間となり実質8時間働くことになります。
しかし、仕事によっては時間外労働が必要となる場合もあるので、体力面で不安がある場合は注意が必要です。また、正社員は固定制の勤務になることが少なくありません。会社が土日休みで病院の受診日が平日の場合、その都度休みを取らなくてはいけません。
仕事にはいろいろな休みの取り方がある
休みが取りやすい仕事といっても、「休み」にはいろいろあります。まずは、労働者に与えられている休みを確認しておきましょう。休みには、法律で決められている休みと、会社独自に決めている休みがあります。
求人票を見るときの参考にしてください。
年間休日
労働基準法で定められている最低年間休日数は105日です。完全週休2日制で勤務すると年間休日数が105日となります。つまり、求人票に年間休日数が105日とあった場合、夏季休暇や年末年始休暇などがないと予想されます。
年間休日数が110日以上になると、週休2日に加え会社で決められた休日があります。カレンダー通り土日祝休みになると、年間休日数は120日となります。
年次有給休暇
年次有給休暇とは、年間休日以外で給料の支払いを受けて仕事を休める日です。原則として、事前申請で利用目的は問いません。
パートか正社員かという雇用形態に関わらず以下の条件を満たしていれば取得可能です。
- 半年間継続して雇われている
- 全労働日の8割以上を出勤している
また、働いた日数や時間に応じて以下のように所定の日数が与えられます。
【通常の労働者の付与日数】
【週所定労働日数が4回以下かつ週労働時間が30時間未満の労働者の付与日数】
引用:年次有給休暇の付与日数
特別休暇制度
会社が労働者と話し合い、休暇の目的や取得形態を任意で設定できる法定外休暇です。そして多くの会社で導入されている夏季休暇や慶弔休暇が特別休暇に当たります。
そのほかにもリフレッシュ休暇、病気休暇、誕生日休暇など、会社独自のいろいろな休暇があるので確認しておきましょう。
変形労働時間制
休暇とは違いますが、所定労働時間の中で労働時間を月間や年間で調整できる制度です。週末は疲れが溜まるので労働時間を短く、平日は長く働くなど調整ができます。
しかし、労働時間の変化は不規則な生活に繋がりやすく、心臓病を持つ人は注意が必要です。
休みが取りやすい仕事の4つの条件
休みにもいろいろな取り方がありますが、これらの休みに加えて、体調不良などによる突発的な休みがあります。
特に心臓病を抱えている場合、健康な人と比べ、急に体調を崩したり通院が必要になる可能性が高くなります。仕事を選ぶときはそのことを踏まえ、休みが取りやすい仕事を選ぶことをおすすめします。
休みが取りやすい仕事の条件について、以下で解説します。
上司、同僚の理解がある
心臓病を患っている家族や知人がいたり、病気の人の介護経験があったり、病気に理解がある人が多かったりすると、比較的休みが取りやすくなるでしょう。実際に働いてみないと分からない部分もありますが、面接の際にある程度分かることもあります。
休暇制度が整っている
会社としての休暇制度がしっかりしていると、休みが取りやすくなります。特に、有給休暇の事後申請を認めている会社であれば、急な休みが欠勤にならずに済むでしょう。
そのほかには病気休暇、通院休暇など、独自の特別休暇制度がある会社もあります。心臓病を持ちながら働く人にはありがたい休暇です。特別休暇制度がパートでも利用可能かは会社によって異なるので確認が必要です。
従業員数が多い
厚生労働省によると、従業員数が多い会社ほど年間休日数は多く、有給取得率も高いそうです。急に休むときにも、フォローしてくれる人が多いほうが休みやすいですよね。
そのため、出来るだけ従業員が多い会社を選ぶのも職場を決める際にチェックしておきたいポイントです。また、従業員数が多いということはいろいろな事情を持った人がいる可能性があります。
同じ病気を持つ人が働いていた前例などがあれば、職場での理解を得やすいでしょう。
複数人で同じ仕事をする
従業員数が少なくても、みんなが同じ仕事内容であればある程度、業務を把握しているため、休みを取りやすくなります。急な休みでは、自分がやるべき仕事を誰かにお願いする必要があり、1人で請け負った仕事の場合、1から説明しなくてはいけません。
しかし、みんなが仕事内容を理解していればフォローがしやすくなります。正社員では、慣れてきたら1人で任せるということが多いので確認しておきましょう。
仕事を休みやすくするためには、休んだ後の対応も大切
体調不良などが続き休む回数が増えてくると、少しずつ周りに迷惑をかけている罪悪感が生まれてしまうかもしれません。しかし休み明けにみんなが嫌な顔をしていないか、顔色を伺いながら仕事をするのは苦痛です。
どんなに条件が整っていて休みが取りやすくても、精神的な理由で休みが取りにくくなっては意味がありません。そうならないために、次のような点を意識しましょう。
休んだときにフォローしてくれた人への感謝
パートでも正社員でも、仕事を休むということはその分誰かに負担をかけています。それを当たり前と思わないことが大切です。
「病気だから休んでも仕方ない」「パートだから休んでも平気」と感謝を怠ってしまうと、フォローしてくれた人もいい気はせず、休む度に雰囲気は悪くなります。休み明けには、フォローしてくれた人へ感謝を伝えましょう。
誰かが休んだときにはフォローする
休んだあとだけではなく、日頃の仕事態度も肝心です。仕事に取り組む姿勢は必ず誰かが見ています。責任感を持って仕事をしていあれば、周りの人も快くフォローしてくれます。
また、急な休みは自分だけでなく誰にでも起こります。
そのときには、フォローしようとする気持ちが大切です。もちろん体力や病気の状態によっては、完璧なフォローが難しいことも考えられます。ですが常に受け身になるのではなく、できる範囲で周りのことをサポートするように心がけましょう。
まとめ
パートか正社員かということだけで休みの取りやすさは決められません。体調不良などでの突発的な休みは、誰にでも起こりうるものです。
体調不良を相談できる上司や、休み明けに感謝を伝えたときに「お互い様」と言ってくれる同僚がいる。パートでも正社員でも、そういう職場環境であれば休みは取りやすい仕事と言えるのではないでしょうか。
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