心臓障害を持った身近な人との接し方を知りたい!ICD患者との向き合い方は?

公開日 2022年8月31日 最終更新日 2023年4月21日

私の父はICD(植え込み型除細動器)を体内に装着しています。病名は、心室性頻拍、肥大型心筋症による心臓機能障害です。

私自身も先天性の心疾患の持病があり、20歳で治療を終えていますが、幼少期は毎月通院していました。そして私が高校生のときに、心臓発作で父が倒れたことで、私達家族の生活スタイルも一変しました。

今回は、心臓障害を持った人との接し方や家族ができる生活の中でのサポートについて、私の経験をご紹介します。

【目次】

父がICD(植え込み型除細動器)を入れて思うこと

冒頭でもお話ししましたが、私の父はICDを体内に装着しています。父がICDを植え込むことになり、わかったことや感じたことについてご紹介します。

まずICDについて、周りの方達も理解をすること

ICDを植え込むことによって一番大切なことは何かと考えたとき、当事者(ICD患者)だけではなくて、家族や友人もICDについて理解することだとわかりました。

ICDという機械はどのようなもので、この機械には使用期限があるのかなど、基本的な情報も最初は漠然としていました。調べていく中で、ICDの交換時期は4〜5年ということがわかりました。実際に私の父も5年に1回の間隔で交換しています。

交換時期が近づくと、私の父は不安を口に出すようになります。なるべくストレスを与えずに、交換時期を迎えられるようにサポートしています。

機械を入れているから安心ではない

私は当初、ICDを装着しているから危険な不整脈が発生しないと思ってました。しかし、2021年4月末に父がICD作動によるショックを複数回自覚して倒れたことで、それが勘違いだと気づきました。

ICDが作動した時の対応ですが、日曜日の朝7時すぎに倒れたということもあり、母と医療従事者の弟もいたので不幸中の幸いでした。弟がすぐに救急車を呼び、救急隊が来るまでは弟が「お父さん大丈夫だよ!すぐに救急車が来るから」と気持ちを落ち着かせるために声かけをしていたみたいです。

救急隊が来たときは、意識もありそのままかかりつけの病院に救急搬送をされました。

ICDを入れたことによる変化

ここでは、ICDを入れたことで当事者と私達家族の変化についてご紹介します。

ICDを入れる前の私達家族の状況は?

私の父が心臓障害になりICDを装着する前の家族の状況ですが、父は出不精でストレスを抱えやすい性格でした。母は専業主婦ということもあり、我が家は父が倒れたら生活ができなくなるという状況だったのです。

高校生だった私は、急に父が倒れて生活が苦しくなるとは倒れる前は思ってもいませんでした。

ICDを入れた後の私達家族の変化は?

父がICDを装着したことで、我が家の生活は一変しました。

まず父は退院をしてから、すぐには仕事復帰はできなかったので、もちろん世帯収入は減少。仕事復帰したときも、主治医からは1人での運転は控えるようにと言われていたので、母が毎日付き添うことに私たち家族は、またお父さんがいつ倒れたらという不安感に襲われてました。

しかしいつまでもそのままでは何も変わりません。父の病気について家族全員が理解し、父を全員でサポートしていこうと心に決めました。結果としてこの覚悟が、家族が前を向けるようになったきっかけになりました。

ICD植え込み後の生活指導

子供 運動

ICD手帳

ICDを植え込んだあとは、ICD手帳を渡されます。この手帳には、ご本人の情報と医療施設・医療機器・定期検査の情報が記載されてます。父も必ず肌身離さず常に携行していました。

このICD手帳を持つことで、心臓以外の疾患や不慮の事故の時に、治療がスムーズに進み、とても役立ちます。またICDを植え込んでいる方は、空港の入り口などに設置されている金属探知機を通る時は、ICD手帳を見せることで通過できます。

自動車運転免許

てんかん発作の方は、2年間発作症状がなければ医師の承諾を得たら運転をできると聞いたことがありますが、ICD患者はどうでしょうか?

父の場合は、植え込み前に心室頻拍、心室細動を発症して意識喪失をして、ICDを植え込んだので、植え込み後は6カ月間は運転は出来なかったそうです。植え込みから6カ月経過して、意識喪失やICD作動がなければ運転は通常通り可能になるとのこと。父も今では運転を許可されています。

私が思う、心臓障害を持った方とのベストな接し方

心臓病

心臓障害を持った方とのベストな接し方をご紹介します。

心臓病障害について理解する

冒頭でもお話しをしましたが、心臓障害について理解をすることは大切です。

理解をすることで、心臓障害患者とも向き合うことができ、すれ違ったコミュニケーションによるストレスも軽減できるでしょう。
また父は血液がサラサラになる薬(ワーファリン)を服用しているため、なるべく緑黄色野菜などのカリウムが多い野菜は控えないといけません。

このように、個人個人に生活するうえでの注意点があるため、障害や病気についての理解は欠かせません。

ストレスを与えない

心臓障害にはストレスが関係していることもあります。

私の父は、去年から家庭菜園に夢中で心が豊かになった気がします。ストレス発散方法を見つけてあげることも大切です。

心臓病とストレスの関係についてはこちら「心臓病とストレスの意外な関係とは 適切な対処法も解説!」で解説しています。

体調の変化を気にすること

体調の変化に対する注意も大切です。心臓発作は、前触れもなく発症するため、一緒の部屋で就寝したり、お風呂に入っているときは気にかけることも大切です。

まとめ

今回は、ICDを植え込んでいる父親のことについてご紹介しました。私のように生まれつき心臓障害を持った方や、父のように50歳で心臓病を発症する方とさまざまです。

しかし1つ言えることは、心臓障害の当事者と家族の不安な気持ちは同じということです。今回、私が紹介した内容はごく一部にすぎません。少しでも役に立てたら、とても嬉しいです。

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ライター。生まれてすぐに肺動脈弁狭窄症で開胸手術をする。自分が15歳の時に父がAF(心房細動)で倒れる。現在は、ICDを植え込んで生活してます。私の人生で心臓障害とは常に関わってます。好きなことは、休みの日に息子とお出かけすることです。