公開日 2022年8月26日 最終更新日 2023年4月21日
こんな悩みを持つ方におすすめの記事です。
- 心臓病を持つ子供に発達障害がある確率はどのくらいか
- 発達に遅れがあったらどこに相談すればよいか
- 発達に遅れがあったらどんな子育てをすればよいか
障害者通所施設で働く、現役介護福祉士がわかりやすく解説していきます。
【目次】
- 心臓病を持つ子供に発達障害がある確率
- 発達に遅れがあったらどこに相談すればよいか
- 発達に遅れがあったらどんな子育てをすればよいか
- 就職は障害者雇用がおすすめ
- 幼少期から社会人になるまで、受けられる支援は積極的に活用しましょう
心臓病を持つ子供に発達障害がある確率
富山医科薬科大学医学部研究職員による研究内容によると、心臓病を持つ子供の中で発達の遅れがある確率は75人中14名(18.7%)ということが分かりました。
また疾患の名前は、完全大血管転位、総肺静脈還流 異常、大動脈縮窄複合、大動脈弓離断、左心低 形成症候群などの新生児期に手術を要する“新 生児期手術群”25人(33.3%)、ファロー四徴、両大血管右心起始、肺動脈閉鎖などチアノーゼ を主な症状とする“チアノーゼ群”19人 (25.3%),心室中隔欠損・肺高血圧、心房中隔 欠損・肺高血圧、心内膜症欠損などの心不全を 主症状とする“心不全群”31人(41.3%)です。
具体的な発達の遅れは、粗大運動領域(全身を使って運動することなど)では14人(18.7%)、言語領域(言葉の遅れなど)が3人(4.0%)、 微細運動一適応領域(字や絵、積み木など手の細かい動きなど)3人(4.0%)で、いずれかに遅れのある児は14人というデータがありました。
また14人すべてが粗大運動領域の遅れを含んでいるそうです。
発達に遅れがあったらどこに相談すればよいか
子供の発達の遅れが気になった場合の相談先は複数あります。
まずは各自治体の相談窓口
各市町村の福祉課(自治体によって窓口の名前が違う場合がある)に相談窓口が設置されています。普段の生活や助成金についてなど、障害に関する全般的なことについて相談できます。
発達障害者支援センターや保健センターを利用する
発達障害者支援センターは国が運営する発達障害児・者への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関です。より詳しい説明などを受けたいときに利用してみてください。
必要に応じて、医療機関や事業所なども紹介してもらえます。保健センターを活用するのもよいでしょう。
発達に遅れがあったらどんな子育てをすればよいか
発達の遅れがある子供を育てるうえで、大切なポイントについて解説します。
発達障害について理解する
発達障害とは生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。
発達障害があっても、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。
自閉症スペクトラム障、ADHD(注意欠如多動症)、学習障害(LD)、チック症、吃音など発達障害といってもさまざまです。
それぞれの発達障害によって得意なこと、不得意なことがあります。特性を理解し、周囲のサポートを受けることで大人になっても社会に出ることももちろん可能です。
1人で抱えない、協力してもらう
先ほどにも書いた通り発達の遅れがある場合でも、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校、職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりできます。
周りに迷惑をかけないようにしようと1人で抱えると、ご家族の負担はもちろん、お子さんの発達の遅れが顕著になる可能性もあります。公的なサービスもたくさんあるので、活用することをおすすめします。
障害福祉サービスの利用
未就学児であれば、病児保育や児童発達支援事業所などを活用できます。病児保育は、病気などの理由で通常の保育園を使うことが難しい子どもを預かる保育サービスです。
また、児童発達支援事業所は発達障害をもつ未就学児を受け入れ、理学療法士や作業療法士、保育士などの専門的な療育を受けられる通所施設です。もちろんご家族への支援も行ってくれます。
就職は障害者雇用がおすすめ
幼少期だけでなく、社会人になってからも発達障害や心臓病を抱えた人に対する支援は多数あります。
障害者雇用制度もその1つです。
障害者雇用で採用された場合、企業側から障害に対する合理的配慮を受けながら働けます。たとえば、業務内容の変更や労働時間の調整、相談係の配置など。
一般雇用と比べると、格段に働きやすくなります。
障害者雇用については、こちらの記事「【2022年最新】障害者雇用の現状と課題【SDGs】」で解説しています。
幼少期から社会人になるまで、受けられる支援は積極的に活用しましょう
心臓病を持つ子供に発達障害がある確率は約20%、発達の遅れがあるかも?と思ったらまず各自治体の相談窓口へ。まず発達障害について理解するところからスタートして、子育ては家族や親戚などに協力してもらう、障害福祉サービスを活用することも視野に入れましょう。
仮にお子さんに発達障害があり、社会へ出る年齢になったとします。親としては、障害があっても就職ができるのか、不安だと思います。企業には、障害者雇用の枠があり、従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければならないという法律があります。
障害者雇用の枠で就職することにより、障害に対する配慮を得ることができます。企業側とのすり合わせが必要になりますが、心疾患による急な体調不良にも配慮して頂けることもあります。
また、障害福祉サービスでは雇用契約を結び、最低賃金が保証される就労継続支援A型や雇用契約を結ばないで工賃として収入を得る就労継続支援B型というサービスもあります。フルタイムでは勤務が難しく、週に1回や2回、少ない時間で働きたいなどのニーズに対応してくれる事業所もあります。
それぞれのニーズや多様性に配慮したサービスがあるので、ご家族の方は安心してください。
※はとらくでは、完全無料でキャリア相談を受け付けています。ぜひ、ご相談ください。