現役ライターが解説!ゼロからでも“フリーライター”として働ける方法

公開日 2023年6月6日 最終更新日 2023年11月8日

先天性疾患者のように見た目では病気が分からない内部疾患者は、病気への理解がなされにくく、企業面接で不採用になることもあります。しかし、いまの時代、働く方法は企業に属することだけではありません。私たちには、個人事業主(フリーランス)として働く道もあるのです。

今回は現役フリーライターの筆者が、どのようにしてゼロから実績を積み上げ、フリーライターと名乗れるまでになったのかを解説します。会社員ではない働き方を考えたいとき、参考にしてみてください。

ライターの画像

執筆:古川 諭香

フリーライター。単心室・単心房のため3度の手術を経験。根治は難しいものの、フォンタン手術後、日常生活が普通に送れるように。愛猫の下僕で本の虫でもある。(Twitter:@yunc24291)執筆記事一覧

【目次】

フリーランスには欠かせない“実績”の築き方

1. クラウドソーシングサイトで仕事を請け負う

報酬は安価ですが、クラウドソーシングサイトはゼロでも実績を積める場所です。ライターだけでなく、イラストレーター、プログラマーなどさまざまな職種が募集されているので、自分に合った職種を見つけるきっかけにもなります。

そして、ライター業でも執筆ジャンルは豊富です。記事執筆以外に文字起こしやYouTubeの構成なども募集されているため、色々な仕事に取り組んで、自分に合ったジャンルを見つけてみてください。

私の場合は200件ほど仕事を請け負って実績を積み、サイト内で高評価を得るプロライターとなるまでクラウドソーシングサイトを使っていました。クラウドソーシングサイトは単価が安い分、数をこなさなければなりませんが、そのおかげで執筆スピードが速くなり、速筆・即納品という自分の強みを築き上げることもできました。

フリーランスにとって、実績はなくてはならないもの。クラウドソーシングサイトも色々とあるので、就きたい職種の募集が多いところを見つけてみてください。

2. 強みにできるジャンルを2~3つほど決める

どのジャンルも幅広く書けるライターはもちろん重宝されますが、専門分野があるライターも重宝されます。そのため、自分の強みにできるジャンルを作り、実績を積んでいくことも大切です。

私の場合は自分の好きなことや興味があることを仕事にしたいと思い、「猫」「読書」「生きづらさ」という3本のテーマをメインにして記事を執筆しています。

また、日本は肩書き重視なところがあるため、強みにしたいジャンルに役立つ資格を取得するのもおすすめです。ある程度の先行投資をして専門知識を身に着けると、他のライターと差がつき、単価も上がりやすくなります。

3. 待つより行動を起こして仕事をゲット

フリーランスは、待っていても仕事は来ません。いい仕事や自分がしたい仕事を掴むためには行動をする必要があります。

私の場合はクラウドソーシングサイトである程度の実績を積んだ後、書きたい媒体を探したり、ライター募集を見たりしてクラウドソーシングサイト以外での活躍を検討し始めました。ライター募集はTwitterなどのSNSやnoteでもよくされているので、Web検索で出てくる募集以外にも目を光らせておきましょう。

また、私はライター募集が出ていなくても書きたいと思えば、媒体に問い合わせてアピールをし、テストライティング(※採否を決める記事執筆)をさせてもらえたこともありました。気になる媒体があれば積極的にアプローチし、熱意を伝えるのもいい仕事を掴む手段です。

4. 実績を伝えられるブログやポートフォリオサイトを作ろう

定期的に仕事が貰えるようになってくると、より条件が良い仕事が欲しくなってきます。そこで必要となるのが、自分の実績を伝えるブログやポートフォリオサイト。そこには、これまでの成果物や自分の作品が受けた反響の大きさなどを記しつつ、希望する具体的な受注金額を記しておきます。

そうすると、自分の条件に合った仕事や興味を持てる仕事が貰えることがあり、仕事の幅が広がるのです。実際、私はブログを作ったことで、これまでとは違ったジャンルの執筆依頼をいただけたり、長く付き合えるクライアントと出会えたりし、より仕事が安定しました。

クライアント側から依頼される仕事であれば、テストライティングが発生しないため、労力も減ります。いかに自分を商品として売るかを考えることがフリーランスにとっては大切なのです。

SNSの運用にも力を入れよう

ブログやポートフォリオサイト以外にも、自分の作品を人に伝える方法があります。それが、SNSです。SNSはコストゼロで使用できる“自己PRの場”とも言えます。

できれば、個人用とは別にフリーランス業専用のアカウントを作るのがおすすめ。現に私は猫アカウントとして、愛猫の写真・動画を投稿し、執筆した記事もアップしています。

SNSはブログやポートフォリオサイトとは違って一方的な情報伝達ではなく、コミュニケーションが生まれるため、自分の人となりを知ってもらったり、ファンを作ったりしやすいもの。フォロワーという名のファンが多くなれば、その人たちの手で自分の作品を、自分の手が届かないところにも広めてもらえる可能性があります。

私の場合はPVばかりを重視される記事ではなく、自分が書きたい記事に力を入れたいと思い、Twitterに力を入れ始めたのですが、そのおかげか、企画から自分で考案できる自由な記事執筆がメインとなりました。

自分の作品を自身で拡散できる力を持つこともフリーランスにとっては、強みとなります。Twitterとインスタグラムでは見せ方が全く変わってくるので、自分の職に合うSNSを見つけ、作品の見せ方を考えてみてください。

SNSを育てるときにフリーランスが注意すべきポイントとは?

SNSを育てるときは、クライアントがチェックしているということを意識し、投稿内容に気をつけましょう。実際、クライアントと話す中で、「SNSの投稿内容や言葉遣いが引っかかって仕事を頼むのを止めてしまった」という話をよく聞くことがあります。

具体的には、下記のポイントに注意するとよいと思います。

  • 1. 仕事やクライアントへの不満は書かない
  • 2. 特定の人に向けた言葉がきつくなっていないか考えてから投稿する
  • 3. 現在受けている仕事を軽視した発言をしない
  • 4. 企業秘密を洩らさない
  • 5. 特定の企業や団体を過度に称賛したり、非難したりしない

また、SNSを育てていく中で個人的に感じたのが、人との繋がりを重視することの大切さでした。SNSは一方通行ではないコミュニケーションがとれるからこそ、リプをマメに返して人と話すことが人脈やファンを作ることに繋がることもあります。

もちろん、無理のない範囲で構いませんが、一方通行な使い方をしないように意識するだけでも、SNSを強力な武器にすることができると思います。

会社員だけが自立への道ではない!

今回、こうした記事を私が書こうと思ったのは、自身の障害を告白して以来、同じ病気の人から「私も自立したい」「フリーランスの道も考えているけれど…」という問い合わせを多く貰うようになってきたからです。

障害を抱えているからこそ、誰の負担にもならないように自立をしたいという気持ちは昔から、私の中にもあった感情だったので、よく分かるのです。社会人として踏み出したいのに、なかなか会社員になれない絶望が、私たち先天性疾患者にはあるのではないでしょうか。

そんな中で、企業に雇われる働き方ではなく、自分で実績を積み上げて働くこともできるのだと知れたら、感じる苦しさは少し和らぐはず。悩み、迷いながらも懸命に生きてきたあなたにはあなたの強みが、きっとあります。その強みを活かして、やりたいことや興味が持てる道に突き進むフリーランスという働き方は案外悪くありません。

フリーランスは会社員のように社会保障制度がまだ十分ではありませんが、こうした働き方を選ぶ人が増えていけば社会の在り方は少しずつ変わっていくはずです。障害が職業選択の壁にならない未来を期待しつつ、自立への一歩を踏み出せる人が増えてほしいと思います。

※はとらくでは、完全無料でキャリア相談を受け付けています。ぜひ、ご相談ください。

▶︎「はとらく」にキャリア相談をする

フリーライター。単心室・単心房のため3度の手術を経験。根治は難しいものの、フォンタン手術後、日常生活が普通に送れるように。愛猫の下僕で本の虫でもある。(Twitter:@yunc24291)