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これをやっとけばよかった…障害者が“正社員雇用”を掴むために就活で意識したい5つのこと

あの時、もっとこうすればよかった…。正社員雇用を目指して奮闘していた10代の頃を振り返ると、そんな後悔を抱くことがあります。

もし、いま当時に戻れるとしたら、自分はどう就活をするだろう…。そんな振り返りを通して、今回は障害者が正社員雇用を掴むヒントを綴っていきます。

【目次】

30代になって気づいた障害者が「正社員」になるために大切なこと

ハローワークだけに頼らない職探し

当時、私は職探しといえばハローワークという考えがあり、ほかの選択肢を検討することもなく、ハローワークに通い詰めていました。しかし、もっと視野を広げ、ハローワーク以外の求人にも目を向けていたら、未来は変わったのかもしれません。

当時は、障害者に特化した求人サイトはあまりありませんでしたが、たとえば、ネットの転職サイトを活用し、エージェントに相談しながら就活してみたら、客観的なヒントや専門的なアドバイスがもらえたはず。

また、障害者雇用に力を入れている企業を調べ、自身の体の状態を伝えつつ、積極的に問い合わせてみたら、道は開けていたのかもしれません。

自力でどうにかしないといけないと自分を追い込みすぎてしまった結果、私は不採用通知が届くたびに自信をなくし、就活への熱意を持ち続けられなくなってしまいました。ひとりで力みすぎない就活を考えていくことも、障害者が正社員雇用を掴む一歩になると思います。

自分を売れるように資格を取得

今でこそ私はライターとしてのスキルがありますが、当時、履歴書に書ける資格と言えば、漢字検定や英語検定くらいでした。それなのに、企業に助成金が渡る障害者雇用という形ではなく、一般雇用で採用してもらい、私にしかできない仕事をしたいと考えていました。

けれど、自己PRできるものがないまま就活に臨んでいたので、せっかく面接の機会を貰えても上手く自分を売れず…。企業側も、採用しにくい状態だったのではないかと思います。

個人的に私は、障害者が一般雇用で正社員になるには、健常者以上に「あなたが欲しい」という理由が必要であるように思います。なぜなら「何も持っていない」という全く同じ条件の健常者と障害者が目の前にいたら、企業側はリスクが少ない健常者のほうを選ぶと思うからです。

だから、「私はこんなことができます」と履歴書や面接時に胸を張ってアピールできるスキルを身につけることは、障害者が正社員雇用を掴むためには必要なことなのではないかと、当時を振り返り、改めて思うのです。

必要な配慮や現在の体調を記したシートも履歴書に添える

就活が上手くいかなかった当時、企業に履歴書を提出するときはいつも、障害によって必要な配慮や現在の状態を記入するスペースがないという悩みを抱えていました。

「仕方ないから、面接時に詳細を説明しよう」そう考えていたものの、決められた面接時間の中で自身の心疾患を説明することは難しく、なかなか理解してもらえませんでした。

そうした経験から持病を事前に説明することの大切さを痛感しました。あらかじめ、詳細を伝えておいたほうが、障害を受け入れてくれる企業に出会いやすいのではないかと思います。

当時は、自身の採否に余計な時間を割いてもらうのは申し訳ないという思いがあり、実行できませんでしたが、もしいま就活をするなら、履歴書に一言、断りの言葉を添え、障害のことを記したシートを同封します。

それは自分のためだけでなく、採用担当者のためにもなると思うから。採用担当者の中には、どこまで障害のことを突っ込んで聞いていいのか分からない人も多いと聞きます。だからこそ、障害者は自分から積極的に障害を分かってもらう努力をしていくことが大切です。

障害を説明するシートには、「疑問に思われることや不安に思われることがありましたら、面接時に何でもお答えいたしますので、遠慮なく聞いていただけたら嬉しいです」などの言葉も添え、面接時にコミュニケーションが取りやすいような事前準備もできたらより良いですね。

「目には見えない障害」を面接でどう伝えるか

「できないこと」や「欲しい配慮」を伝える勇気を持つ

心疾患は目で見て分からない病気であるため、採用してもらうには面接が重要になってきます。当時の私は、企業側にいらぬ心配をかけたくなくて、どんなことを聞かれても「できます」と返答していました。

しかし、聞かれたことが、すべて実際に問題なくできることばかりであったとしても、「できます」ばかり言っていると、企業側から「本当に…?」と不信感を持たれてしまいます。

そうした経験を経て得たのは、できないことや配慮が必要なことを自分の口から積極的に話すことが大切だという気づき。たとえば、私の場合であれば、通院のために3ヶ月に1回は休みがほしいことや、将来的に病状が悪化した場合入院の可能性があることなどをしっかり伝えておく必要があります。しかし面接の時は採用されたくて、面倒に思われそうなことは聞かれないならば伝えないでおこうと思ってしまいました。

どうしてもできないことはマイナスとみなされるのでは…と不安に思えるため、隠したくなるもの。けれど、しっかり伝えることで「正直な人」「信用できる」と好印象を持ってもらえ、採用に繋がる可能性もあります。

また、できないこととできること、どちらもちゃんとあるのだと伝われば、「できないことをできると言っているのでは…?」という採用担当者の不信感も軽減されるはずです。

疑問を持たれたことは、どうすれば納得してもらえるか相談してみる

就活をしていた頃、よくされたのは「本当に階段を登れるのか」や「日常生活がこなせているのか」という指摘。それらは日常生活を共にしていないと伝わりにくく、面接の場では証明することが困難です。不採用になるたび、1日いっしょに過ごしたり、監視カメラをつけてもらえたりしたら、できることが多いことを理解してもらえるのに…と、もどかしかったです。

しかしそうした証明の仕方は現実的ではないため、実践するのが困難ですが、採用担当者が抱いている疑念をできるかぎり解消できないかと考えて行動すると、正社員への道は開けやすくなるのではないでしょうか。

たとえば、いま、もし採用担当者に当時と同じ指摘をされたとしたら、「では、実際に階段を登ってみますので、判断していただけますか?」と提案します。そして、採用担当者の時間がないのであれば、「担当医から何か証明になるものをもらってきましょうか?」などと伝え、主治医への相談も視野に入れます。

伝えるのが難しいから理解してもらうのは困難だ、と諦めるのではなく、企業側がどんなことを不安に思っていて、何を信じられていないのかを考える…。それは、障害者の就活に必要なことだと思います。

もしも、自分が採用担当者側だったら、どんな説明をしてもらえたら、安心して雇用できるか…。そう考えながら、目の前の相手と話し合うと、これまでとは違った未来が広がるかもしれません。

企業側の不安をどれだけ解消できるかが正社員雇用のカギ

企業側が障害者の雇用に尻込みしてしまうのは何をどれくらい任せられ、どう接すればいいのか悩んでしまう点が大きいのではないでしょうか。中には、障害の話をどれくらい深く聞いていいのか悩み、不採用となってしまうケースもあると耳にしたことがあります。

そうした現状を変えるには、まず障害者のほうから「障害の話には深く踏み込んではいけない」という、相手が抱いているであろうタブーを破ることが大事なのかもしれません。

どうすれば、採用担当者の不安の種を取り除けるのか…。今後、もし、フリーランスを辞め、正社員として働くことを考えることがあったら、その点を意識し、頑張りすぎない就活をしていきたいです。

フリーライター。単心室・単心房のため3度の手術を経験。根治は難しいものの、フォンタン手術後、日常生活が普通に送れるように。愛猫の下僕で本の虫でもある。(Twitter:@yunc24291)