求人の見るべきポイントは?無理なく働くための“会社の見分け方”

公開日 2023年1月31日 最終更新日 2023年11月8日

体調を理解してもらいつつ、無理のない範囲で働きたい。障害を持っていると、そうした想いが強くなるものです。

そこで、今回は体に鞭を打たない働き方ができる会社の見分け方や求人情報でチェックしておきたいポイントをお伝えします。

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執筆:古川 諭香

フリーライター。単心室・単心房のため3度の手術を経験。根治は難しいものの、フォンタン手術後、日常生活が普通に送れるように。愛猫の下僕で本の虫でもある。(Twitter:@yunc24291)執筆記事一覧

【目次】

無理なく働くための「会社の見分け方」5選

①在宅勤務が可能かどうかをチェック

近年は、リモートワークを導入する会社も増えてきています。これは、障害者にとってはいい社会の流れ。もし、在宅勤務が可能であれば、体調に不安があるときも働きやすく、通院もしやすくなるので、求人情報や面接時にチェックしてみましょう。

②「ブラック企業」と呼ばれる会社を事前にリサーチしておく

近頃は「ブラック企業大賞」がネット上で発表されるなど、極端な長時間労働を強いられたり、無理難題なノルマを課されたりする会社が公にされています。

そうした会社は人手不足であるため、入社しやすいかもしれませんが、心身に負担がかかってしまうので要注意。事前にチェックし、会社選びの際に避けるようにしましょう。

また、長時間労働を求められやすい業界も、体力的に無理をして働かなければならない可能性があるので、あらかじめチェックして避けるとよいでしょう。

③就職関連の口コミ情報サイトを確認する

「転職会議」のような現社員や元社員から、企業に対するリアルな情報が寄せられている口コミ情報サイトは必見です。

有給の取りやすさや残業時間などが分かり、求人情報と実際の業務形態に乖離がないか知ることができます。入社した後、ブラック企業だった…と後悔しないためにも、ぜひ見ておきましょう。

④障害者に特化した就職・転職エージェントに頼る

職探しの際はハローワークでも障害者雇用の求人紹介を受けることができますが、求人情報の質にバラつきがある場合も少なくありません。

そこで、会社を見極められるか不安な方や社会人経験があまりない方は障害者に特化した就職・転職エージェントに頼りながら会社選びを行っていくのがおすすめです。

障害者の就職や転職に精通したプロに相談しながら職探しができ、入社後のアフターフォローもしっかりしているため、心強い味方となってくれます。

※はとらくでは、完全無料でキャリア相談を受け付けています。ぜひ、ご相談ください。

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⑤特例子会社を選ぶ

「特例子会社」とは、障害者が働きやすいように配慮された会社のこと。バリアフリーになっているだけでなく、障害の特性を理解した業務を与えてくれる会社が多く、正社員雇用の割合も高いと言われています。

ただし、特例子会社の親会社は大手企業であることが多く、毎年、求人募集がされているわけではないため採用されるのは容易ではありません。中には、障害者就業・生活支援センターや就労移行支援などでしか公開されていない非公開の求人もあると言われているため、就労支援を受けながら求人をチェックしてみるのもおすすめです。

特例子会社については、こちらの記事「特例子会社とはどんな会社?就職するメリット・デメリットや求人の探し方を解説」で詳しく解説しています。

心身ともに無理しないために!求人情報でチェックしたいポイント

無理をせず働くには、求人情報を見るときにもいくつかチェックしておきたいポイントがあります。

残業時間の長さ

1日の残業時間や月間の残業時間が長いと、体力的にもたない場合があるので、自身の体調を踏まえて、どれくらいの残業ならば対応できるのか熟考してみましょう。

年間休日の日数

厚生労働省が発表した「令和3年就労条件総合調査」によれば、労働者1人あたりの年間休日数の平均は116.1日。これを基準にし、心身を休める時間がもてるよう、あまりにも年間休日が少ない会社は避けるのがおすすめです。

バリアフリー設備の有無

心疾患者の場合は、車椅子の方のように段差のバリアフリーなどは重視しないことが多いものですが、症状の個人差が大きく、「階段の上り下りで息が上がってしまうためエレベーターがあってほしい」など、欲しい配慮は人それぞれ違います。だからこそ、自分の体調に合った環境を選ぶよう心がけましょう。

また、いまは健常者とほぼ変わりない生活ができていても、将来、体調が悪化するケースはあります。そのため、現在だけでなく、今後のことも考慮し、体力的に無理をしなくてもいい設備が整っていると思える会社を選びましょう。

福利厚生

入院や手術を受ける可能性が健常者よりも高いからこそ、求人情報では、どんな福利厚生が受けられるのかをチェック。もしものときに困らないよう、不安なことなどがあれば、面接時にしっかりと聞いておきましょう。

在宅勤務の可否

在宅勤務であれば、体力的に会社へ通勤するのが難しいときでも仕事ができる点がメリット。事務やデータ入力以外にもリモートワーク可能な業務はあるので、求人情報に記されていない場合でも面接時に確認してみましょう。

【番外編】フリーランスになりたいときは?クライアントの選び方

自分でスケジュールを調節して働くことができるフリーランスという働き方は、障害者におすすめ。実際、私自身、未経験からフリーライターとなり、いまの働き方に満足しています。

しかし、ちゃんとしたクライアントと出会えないと報酬が振り込まれなかったり、度重なる修正作業に時間が取られてしまって思うように稼げなかったりするなど、歯がゆい現実があることもたしか。

特に、一からその業界に飛び込んだときはクラウドソーシングなどを活用して実績を作ることが必要となるため、安価で働かされてしまうことも…。買い叩かれない働き方をするには、クライアントを見極めることが大切です。

時間を搾取されないために!クラウドソーシングでのクライアントの見極め方

過去の評価からクライアントの人となりを考察

クラウドソーシングでは受注者と発注者が互いを評価し合うため、どんな関係が築かれていたのかが分かります。私の経験上、何度も同じ人受注者からいい評価を貰っている、気さくなコメントで感謝を伝えられている発注者はしっかり報酬を渡している場合が多かったです。

そのため、フリーランスを初めたばかりの頃は評価ゼロの発注者は避け、こうした評価のいい発注者を選んで実績を積んでいくのがおすすめです。

レギュレーションがコロコロ変わるクライアントは要注意

ライター業の場合、媒体ごとに表記ルールなどのレギュレーションが定められていることが多いもの。それがコロコロ変わったり、新しいレギュレーションが頻繁に追加されたりするクライアントは修正依頼をしてくることが多く、その作業で時間が経過してしまい、報酬を時給換算した時に驚くほど少ない…と思えてしまうことが私は多かったです。

中には採用を決めるテストライティングのはずなのに、何度も修正を依頼し、なかなか執筆料を支払ってくれないクライアントもいたので、1記事の制作時間に数週間かかるなど、あまりにも時間を取りすぎるクライアントの場合は注意が必要です。

募集時に仕事の詳細は明確か?

クラウドソーシングでは募集時、発注者が記した仕事の概要が見られるので、ここをしっかりとチェックしましょう。ライター業の場合は内容や文字数、継続依頼が可能であれば月間記事数などを確認。Wordpressなどの専門ツールへの入稿は必要なのか、装飾はどの程度必要なのか、画像選定の有無なども記されているかも重要です。

なぜなら、業務内容があまりにも簡素であると、契約後に予想以上の業務を押しつけられてしまうケースがあるから。こんなはずじゃなかった…と時間を搾取されないためにも、自分がどの程度の作業をこなせばいいのかを明確に提示しているクライアントを選びましょう。

企業やクライアントを見極める力をつけて無理のない働き方を

企業で働くときも、フリーとして生計を立てていくときも大切なのは相手を見極める力です。障害者と呼ばれる私たちは、「働ける場があるだけでありがたい」と感じ、無理をしてしまうこともありますが、健常者と同じく、心身ともに負担なく働ける場を求める権利が私たちにはあります。

悩んだときはひとりで頭を抱えずに、障害者の就職・転職に強いエージェントサイトを活用して、安心して働き続けられる職場を手に入れましょう。

フリーライター。単心室・単心房のため3度の手術を経験。根治は難しいものの、フォンタン手術後、日常生活が普通に送れるように。愛猫の下僕で本の虫でもある。(Twitter:@yunc24291)