心房・心室中隔欠損症がある我が子の検査や頻度とその結果 親として心配なことと心構え

公開日 2024年1月9日 最終更新日 2024年2月18日

私は生まれてきた長男が、生後二日で先天性心疾患である心房中隔欠損症と心室中隔欠損症と診断されました。

そんな先天性心疾患のある長男は、生まれたころから定期的に病院で心臓の検査を受けています。そこで今回は、心房・心室中隔欠損がある長男が1歳半になるまでに受けてきた検査の内容や頻度、その結果を紹介していきます。

検査を受けるにあたって感じた親として心配なことと、不安になりすぎないために私が気を付けている親としての心構えもあわせてまとめました。

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執筆:はづき

ライター。看護師として循環器・心臓血管外科病棟で働いていた。1歳の長男は心房・心室中隔欠損症あり。現在心房は自然に閉じて心室中隔欠損症の経過観察中。執筆記事一覧

【目次】

心房・心室中隔欠損があるわが子が今まで受けてきた検査内容

心房と心室中隔欠損症があるわが子が生まれてから受けてきた主な検査は、心臓のエコー検査とレントゲン検査です。

その2つの検査結果をもとに、担当医師が中隔欠損の穴の大きさや心臓の肥大具合などから悪化していないか、改善しているかを伝えてくれます。

ここでは心房・心室中隔欠損症がある我が子が生まれてから何度も受けてきた心エコー検査とレントゲン検査についてどんな検査なのか紹介していきます。

《心エコー検査》

心臓のエコー検査とは、超音波で心臓を見ていく検査です。この検査をすることで、心臓の動きや大きさ、弁の状態、血液の流れなどが分かります。

心エコー検査は、胸のあたりにゼリーを塗って、プローブという検査器を当てて心臓を見ていきます。様々な角度から手作業で心臓を見ていくため、20~30分程度かかります。

特に痛みがある検査ではなく、大人なら横になっていたら終わるそんなに辛くない検査ですが、大人しくずっと横になっていることができない子供にとってはなかなか辛い検査になるんです。

ましてや赤ちゃんの場合、起きていると大人しくしていることは不可能なので検査の前に睡眠剤を使います。わが子が通っている病院では、検査前にとても甘い液体の睡眠薬を飲ませるのですが、甘くておいしいのかと思いきや意外とわが子は嫌いなようで、毎回飲ませるのに苦労しています・・・。

なんとか薬を飲み終えたあとに、授乳をしてお腹を満たして寝てもらう形で対応しています。しっかりと寝たら検査が始まり、途中で起きてしまうことがあればその都度また寝かしつけて検査を再開してもらっています。大人であれば20分程度で終わる検査でも、途中で起きてしまうと再び寝かしつけから始まるため、1時間程度かかることもありました。

《レントゲン検査》

レントゲン検査では、主に心肥大がないか心臓の大きさをチェックしています。

レントゲン検査は、心臓病の当事者ではなくても受けたことがある方が大半だと思いますが、赤ちゃんの場合は横になった状態でレントゲンを取ってもらいます。

赤ちゃんを台の上で横にさせたら親は外で待機しますが、検査技師の方が常に横にいるため落下の心配もありません。数秒で終わる検査のため、赤ちゃんが泣いていてもささっと撮影してもらえます。

わが子の場合、生まれたばかりの頃は毎回心エコーとレントゲンをセットで検査していましたが、中核欠損に改善がみられるため、生後10か月の検査の時からレントゲン検査はなくなりました。

心房・心室中隔欠損があるわが子の検査の頻度や結果

生まれたときから行っている心エコーとレントゲン検査ですが、どのくらいの頻度で検査に通ったのか、検査の結果を交えて紹介していきます。

心エコー検査とレントゲン検査は入院中の生後2日を最初に行い、その後も生後2週間、1か月、2か月、4か月、6か月、10か月、15か月(1歳3か月)、21か月(1歳9か月)とコンスタントに受けています。

最初は月2回でしたが、特に症状もなく成長しているため徐々に間隔が空き、1歳半になる今では半年に1回まで間隔が空くようになりました。また、レントゲン検査は生後10か月の頃から実施していません。

特に新生児の頃はちょっとしたことでも不安になっていたため、産後の身体にはきつかったですが、月2回病院で診てもらえることでとても安心できました。

検査の結果

生後1か月の検査では、心拡大があるため来月の検査結果で悪化があれば利尿剤を始めると言われました。その時はショックだったし、やっぱりよくなることはないんだ・・・と思ってショックを受けたことを覚えています。

そして、不安になりながら生後2か月の検査にいきましたが、なんと心房の穴が塞がってきたおかげで心拡大も良くなり利尿剤もなしでOKと医師から伝えられました。薬を飲まないといけないかも・・・と思っていたので、この結果に安堵しました。

生後4か月の検査では、心房の穴は完全に塞がっていて5mmだった心室の穴も小さくなってきていると診断を受けました。そして10か月の検査結果は、心室の穴は2mmまで小さくなり穴が大きいために手術することは今後もないだろうと言われました。

心臓の弁が悪くなる可能性はまだあり、そうなったら手術することになるものの穴が大きいための手術はいらないと言われ、とても嬉しかったです。

生まれたばかりの頃は、1歳頃に手術を受けることになるだろうといわれていたものの、1歳を過ぎた今も手術することなく経過をみています。

【関連コラム】

心房・心室中隔欠損症のために行う検査で親として不安なこと・心がけていること

何回も行ってきた心エコーとレントゲン検査ですが、検査を受けるうえで心配になることもありました。

検査を受ける上で親として心配なこと

心エコー検査を受ける時に睡眠剤を飲むため、こんなに小さい体で普通だったら必要のない薬を飲ませることに、最初は心苦しくなりました。

そして、検査後も睡眠薬が効いている間はなかなか起きず意識がはっきりしないため本当にしっかり起きてくれるだろうかと心配になることもありました。レントゲン検査では、親は検査室の外で待っているのですが待っている所にポスターが貼ってあり「放射線など気になり検査を受けることが心配な方はご相談ください」と書いてありました。

そのポスターを見て、「私が健康に生んであげることができなかったばかりにこんなに生まれたばかりの子に放射線をあびせてしまってるんだなあ・・・。」と産後のメンタルも重なりつらくなったことを覚えています。

親として気をつけている検査の時の心構え

なにかと不安になってしまう検査ですが「先生は必要最低限の検査をやってくれているし医師が判断したことだから気にしすぎない」と心構えをするようにしています。

実際に何人もの子供を見てきた先生ですし、その先生が判断した薬の量、検査なのだから最低限でやってくれているだろうと思っています。実際、改善してきたら早めにレントゲン検査もなくなりました。睡眠薬もちょうどしっかり寝ている時には飲ませないで検査にチャレンジしたこともあります。

そうやって判断してもらい、最低限の検査・薬でしっかり病状を確認してもらっているんだから、不安なことはどんどん医師に聞きますが検査自体を不安に思いすぎないようにしています。

不安になりすぎると長い治療と向き合えない

今回は、先天性心疾患があるわが子の生まれてからの検査内容や頻度、その結果を紹介していきました。

主な検査は心臓のエコー検査で、定期的にレントゲン検査も行います。生まれたばかりのころは月2回だった受診が、徐々に間隔が空き、1歳を過ぎた今は半年に1度の検査になっています。

心房の中隔欠損は自然に閉じ、心室中隔欠損はいまだにあるものの5mm→2mmまで自然と改善しており手術せず経過を見るようになっています。

心臓のエコー検査は30分程度かかりますし、薬も内服しなければならないため親として不安なことも多かったです。それでも悪化しているんじゃないかと家で不安になるよりも、受診をして結果を知ることで正しくわが子の疾患と向き合うことができたように感じます。

まだまだ心室中隔欠損症とは長い付き合いになりそうですし、風邪をひくたびに心配になりますが親としてできることを子供にしていきたいと思っています。

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ライター。看護師として循環器・心臓血管外科病棟で働いていた。1歳の長男は心房・心室中隔欠損症あり。現在心房は自然に閉じて心室中隔欠損症の経過観察中。