公開日 2024年9月2日 最終更新日 2024年9月2日
ICD植え込んだらもう今まで通りの暮らしは無理だよね・・・
そんな漠然とした不安を抱えながらのICD植え込み術。振り返ると多くの不安や困難がありました。
約10年経った今感じる気持ちや日常生活の注意点などをリアルにお伝えしたいと思います。これからICD植込み予定の方、そのご家族や近親者の方にぜひ読んで頂きたいです。
執筆:はらぺこママ
ファロー四徴症・肺動脈弁閉鎖不全で2度の手術を経験。現在、弁置換とICDを挿入。Voicyにて「暮らしが好きになるラジオ」を配信中。フードデリバリーの配達員、フリーで在宅勤務をする小学生のママ。GLAYファン。(Voicy:voicy.jp/channel/3906) 執筆記事一覧
【目次】
植え込み後の最大の困難
ICDを植え込みから約10年。1番大変だったことは『術後の傷の痛み』でした。私は、左鎖骨下を切開しICDを入れております。術後は腕の可動域が大きく制限されました。
どこまで動かせばいいのか?痛みがでるのか?はわからず、ICDが体になじむ約半年間はなるべく左腕を動かさない生活をしていました。しかし、可動域が少ない分と肩回りの動きはぎこちなくなり肩こりがひどくなりました。
ICD植込み後の動作の注意点は
- 重いものを持たない
- 腕を激しく動かす運動は医師に相談
などがあります。
ほかにも鉄棒にぶら下がったり、腕立て伏せをしたりも注意が必要です。動かすと痛いが、動かさないと関節や筋肉が硬くなってしまう…このジレンマを解消するために、私は制限を守りながら少しずつできることを増やしていきました。
ストレッチを取り入れ、日常の動作も痛みが出ない範囲で行うよう心がけました。とても根気のいる地味なことですが、少しずつ肩こりも解消されできることが増えていきました。わたしは約半年で、ICDを入れる前と同じくらい動けるようになりました。先生に言われた「なじむ」の意味がようやく理解できました。
車の運転とICD
ICDを植え込んで気がかりだったことは車の運転です。子育てと介護をしていることもあり、車の運転は必須。日常生活には欠かせないものです。
ICD植え込み後の運転は原則禁止です。しかし、医師の診断書やその結果によって条件付きで運転が認められています。
詳細はこちらを参考にしてください。
私の場合、現在症状は安定しているため、2年ごとに診断書を警察へ提出しています。しかし、運転時には常に体調管理に気を付けています。
- 少しでも体調が悪いときは運転をしない
- 動悸が続いてるときは運転をしない
- 運転時は慌てずゆっくり心の余裕をもって
このように、普段から気を付けていることですが車の運転にはそれ以上に配慮をしております。
さらに、車に乗る際はシートベルトの位置にも注意が必要です。ICDの上に直接シートベルトがこないようにクッションをあてています。急ブレーキの衝撃で、シートベルトでICDが圧迫されるためです。万が一の場合でもクッションをはさむことで、ICDへの衝撃を軽減できます。
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植え込み後約10年経った今、気を付けていること
去年9月にICDの本体交換をしてきました。今回は傷や痛みの回復は早く、術後1か月でいつもの暮らしに戻ることができました。
しかし、普段から気を付けていることはいくつかあります。自分が元気に暮らせるためにも以下のことを注意しております。
- 重い荷物極力持たない
- 娘の抱っこ
- 車運転時の体調管理
- スマートデバイスの操作や扱い
重い荷物はICD本体だけでなく、本体から心臓にかけて入れているリード線損傷の危険もあるので極力持ちません。
娘の抱っこも同じく重いモノ!?ですが、ここは本音をいうと難しいです。
娘は平均より身長が高く、それに伴い体重もあります。小学1年生ですが、まだまだ甘えたい娘・・・もちろん母としては答えたいです。しかし、20Kgを超えたあたりで、ICDへの負荷を感じはじめました。
それからは自分の病気を娘に話し、その中でできることを思う存分に娘にしています。そして、先ほどもお話ししましたが車の運転時の体調管理です。普段から気を付けていますが、体調を見ながら車に乗るようにしています。
また、スマートデバイスの操作や扱いにも注意が必要です。スマホや電子機器はICDに近づけないのはもちろんですが、タブレットは扱いやすいため、ICDとの距離を適切に保つのに難しい時があります。例えば、腕に抱えたり、寝ながらの使用するとICDに近づきすぎてしまいます。スマートデバイスがきっかけでICDが作動することは可能性としてかなり低いとはされていますが、特に注意をしたい場面です。
ICDを植え込んでも日常生活は取り戻せる
ICDを植え込んだら今までの生活は無理・・と絶望していたあの時とは違いICDと仲良く暮らせるようになりました。制限や注意点はありますが、ICDはわたしにとって「命のお守り」です。ICDがあるから、元気に過ごせる!なら、ICDを大切にしようと思えるようになりました。
それが、自分の体調管理にもつながりICDを植え込む前より自分を大切にできています。この記事がICDとともに生活している方、ICDをこれから植え込む方、そしてそのご家族さまの安心につながれば幸いです。