公開日 2024年11月24日 最終更新日 2024年12月10日
私は生まれつき右室性単心室という心疾患を患っております。
生まれて三か月健診の際に、小児科の医師から「心雑音がある」と診断されて3歳の時にフォンタン型手術(旧型フォンタンと新型フォンタンの混合術)を受けました。術後、当時の医師から両親に「絶対に泣かせないで下さい」と告げられたものの、両親は私を”障害者の子供”としてではなく、”普通の子供”として厳しく育ててくれました。
執筆:Mariana
北海道生まれ。右室性単心室により3歳の時にフォンタン手術を受ける。障害者雇用枠で様々な企業を渡り歩きながら、ヘアパーツモデルを経験。旅行が大好きで、日々航空マイルを貯めるためポイ活に勤しむ。所有資格:オーガニック健康カウンセラー、オーガニック・コスメアドバイザー、ユニバーサルマナー検定3級 執筆記事一覧
【目次】
心疾患を深く意識していなかった子供時代
そんな私は、幸いにも術後から数十年経過したものの、再手術することがなく今日も元気に過ごしています。とはいえ、いまだに息切れや疲労感、動悸やチアノーゼは頻繁に出やすいのが実情です。
子供の頃から自分の心臓のことをあまり考えずに、近所の友だちと沢山遊び、学校では運動会などの行事にもできるだけ参加してきました。もちろん心疾患持ちである以上、スポーツイベントの参加に制限はありましたが、自分なりに学校生活は楽しく、そして身体に無理なく過ごせたのではと思います。
さらに短大在学中には、約1か月間イギリス語学研修に参加し、現地のカレッジに通い、イギリス人の一般家庭でホームステイを経験しました。心疾患持ちであっても現地校やホストファミリーに出来ない事や制限されていることをしっかり伝えたので、心地よく過ごせました。
※ イギリスのバーミンガム市で観光した時の1枚
学生⇒社会人へ 疲労感のギャップを痛感した1年目
短大卒業後は、憧れの大手航空会社に就職。海外と繋がる仕事をしたいと夢を抱いて、国内線グランドスタッフとして働き始めましたが、広い空港内で動き回ったり、20kgぐらいのスーツケースを持ち上げることもあり、心疾患者に一番NGな”体力仕事”を1年間しておりました。
さすがに心身ともに疲弊してきたので、転職を決意し身体への負担が少ない事務職を目指すことに。
当時、初めて事務職デビューした職場は、会社から心疾患に対する理解は多少あったものの「障害者だし正社員ではない」という括り、あまり仕事をさせてもらえず約5年間過ごしていました。このままではいけないと思い、働きながら通信制大学で学び「大卒」の資格を得ることができました。
さらなるキャリアアップへ
そして、さらにキャリアアップを目指そうと障害者雇用枠で広告代理店に転職しました。
私が当時所属していたWEB専門部署で、私のメイン業務はクライアントのSNS運用でした。ネタを考えて取材交渉し、撮影や取材をして記事を執筆するという、まるで記者の仕事のようなことを経験しました。さらに、当時の職場はたまたま空港と深いご縁があり、人事異動で再び空港へ飛ばされて担当店舗で接客をしたり、売上管理や運営に携わっていきました。
余談ですが、広告代理店勤務した当時、通っていた美容室のスタイリストさんから「髪が長くて綺麗だから髪のモデルをやられたらどうですか?」とひょんな一言から
ヘアパーツモデルを4年間経験させていただきました。
当時はコロナ禍中での活動だったため、SNSで商品のPRや記事執筆のお仕事などが主な活動を行なっていました。モデル仲間と知識を共有しながら遠く離れていても切磋琢磨と活動できたこと、様々なメーカーさんのお話しを伺う機会もあり、とても貴重な経験ができました。
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フルタイム勤務に支障が・・・
現在は派遣会社とのご縁により、メディア系企業で一般事務をしておりますが、30代になり少しずつ肝機能・腎機能の数値が悪化しています。今まで出来ていたことが、早くも疲労感が出てきてしまいフルタイム勤務が難しくなってきたことから、パートタイム勤務へと働き方を変えました。
すると心身ともに楽になり、フルタイム勤務後にあまり出来なかった家事や作業を出来るようになって、QOLが上がったような気がしています。
フルタイム勤務が出来る体力があるうちは働くことをおすすめしますが、だからといって自分の身体に鞭を打ってまで働くことは控えたほうが賢明です。ご自身の体調を優先しつつ、興味・関心があることには、積極的にチャレンジしていきましょう!
私の人生はトライ& エラーを繰り返しています。何故なら身近に自分と同じ心疾患を持っている人がいないため、自分で試してみてどこから疲労感が出やすくなるのか、”人体実験”を繰り返して今日まで生きてきました。
自分のことは自分で考えてみる
「主治医に言われたからダメ」「親に言われたからダメ」と言われたから、すぐに諦めるのでなく、ご自身でどこまでイケるのかをチャレンジした上で「この先だと疲労感が強く出るかもしれない」「無理してやってみたけど、きつかったな」と自分の身体に耳を傾けて欲しいと思います。