S-ICDを植え込んでみた結果 生活はそんなに変わらなかった

公開日 2023年5月9日 最終更新日 2023年11月11日

今から4年ほど前から、体にS-ICDを植え込んだ状態での生活を送っています。「体の中に機械が入ってるってどんな感じなの?」と聞かれることがありますが、日常生活を送る中でそれを意識することはそんなにない、というのが正直なところです。

しかし、私自身も手術を受ける前は生活への影響が不安でした。そこで今回は、実際にS-ICDを植え込んでみた私が、植え込み前との生活を比較して、影響を受けたことと受けなかったことについて紹介します。

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執筆:宮﨑 駿

ライター・編集者。大学卒業直前に心室細動を起こし、AEDによる救命を経験。現在はS-ICDを挿入している。障害者雇用専門の転職エージェントを経験し、ライター、編集者として独立。やたらと甘いものを食べている。(Twitter:@hayawo_)執筆記事一覧

【目次】

生活への直接的な影響はほぼ0

「体に機械を植え込む」と聞くと、大変だと思われがちです。ですが、私がS-ICDを植え込んだ結果だけをお伝えすると、生活への影響はほとんどありませんでした。

もちろんS-ICDを植え込んだことで、できなくなったことや、注意するべき点はあります。

たとえば、S-ICDは金属製のため、金属探知機を通過しようとすると反応してしまいます。そのため、テーマパークや空港で金属探知機の通貨が求められても、対応できません。ですが、施設側もそういったことについてはもちろん承知しているので、その場で伝えれば了承してもらえます。

「英語話せないから、海外の空港だとそれが伝えられない…」と思った方。その心配も必要ありません。S-ICDを植え込むと「デバイス手帳(診察時の情報を記録するもの)」が支給されます。ここには「S-ICDを植え込んでいること」が、世界各国の言語で記載されているため、どの国へ行ったとしてもこの手帳を提示すれば対応してもらえます。

また、運動面に関しても一応注意事項はあります。私が主治医から伝えられたこととしては「強い衝撃を受けるとS-ICDが故障するため、格闘技やラグビーなどはしないでね」とのことでした。全く問題ないですよね。

ただ、ごく一部、個人的に悲しかった制限がありました。それは個人的に好きだったスキューバダイビングと、電気風呂への入浴ができなくなったことです。とはいえ、これもほとんどの人にとっては大した話ではないかなと思います。

このように、S-ICDを植え込んだことで生活に大きな影響が出る人は、かなり少ないんじゃないかなと思います。

自分が見慣れるまで人の目が気になった

生活への直接的な影響は少ない、これは間違いありません。

しかし、S-ICDを入れたことで、人の目が気になることはあるかもしれません。S-ICDを植え込むと、体型によっては植え込んだ部分の皮膚が盛り上がってしまいます。私は痩せ型ということもあり、2センチ近く植え込んだ部分が盛り上がっており、体を横から見ると、はっきりと体内に異物が入ってることがわかるようになっています。

もちろん服を着ている状態ではわかりませんが、温泉に行ったり、水着を着たりといった時には、そのことが周囲の人へ伝わります。

人によっては、それが嫌で服を脱ぐ必要がある場へ行くことを控えるようになってしまうかもしれません。

私も正直最初のうちは、気にしていました。鏡で自分の体を見た時に違和感が拭えなかったからです。ですが、生活を送っているとそれが当たり前になってきて、徐々に気にならなくなっていきました。

自分が、自分の体を見慣れて違和感を持たないようになれば、自然と人の目も気にならなくなるのかもしれませんね。

病院に行く時は必ず伝える

S-ICDを植え込んでいると、受けられない医療行為があります。MRIなどがそれに当たります。

そのため、病院へ行くときは、内科であっても歯科であっても、健康診断であっても、必ずS-ICDを植え込んでいることを伝えるようにしています。

私自身は、S-ICDを植え込んでいる当事者とはいえ、医療に関しては全くの素人です。S-ICDを植え込んでいると受けられない医療行為を全て把握しているわけではありませんし、病院に行った時どんな治療をするのかも受けるまでわかりません。

そのため、万が一でも禁止されている医療行為を受けないように、それをプロに判断してもらえるよう伝えています。

影響がないとは言い切れないけど、思ったより変わらない

「体内に機械を植え込みます」と告げられた時は、びっくりしたしそれからの生活のことを不安にも思いました。

ですが、実際当事者になってみると、そこまで大層な話でもなかったかなと思ったのが正直なところです。

もちろん影響がなかったとはいえません。好きだったことがいくつかできなくなってしまったり、油断して誤作動を引き起こしてしまったり(次の機会に詳しくお話しします)、一時期銭湯から足が遠のいてしまったり。

それでも、思っていたより大丈夫でした。S-ICDを植え込んで4年、そう感じています。

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編集者。大学卒業直前に心室細動を起こし、AEDによる救命を経験。現在はS-ICDを挿入している。障害者雇用専門の転職エージェントを経験し、ライター、編集者として独立。やたらと甘いものを食べている。(Twitter:@hayawo_)