先天性心疾患がある息子の将来について親の立場から考えた

公開日 2024年8月5日 最終更新日 2024年8月5日

わが家の長男は、先天性心疾患である心房中隔欠損症と心室中隔欠損症と診断されました。
生まれたばかりの頃は、正直元気に大きくなるのだろうかと心配することが多く、まだまだ先の話である「将来」よりも、「今」の不安が大きかったです。

そんな長男も2歳になり、元気いっぱいに育っていく中、段々と将来のことを考えるようになってきました。そこでここでは、私が今考えている長男の将来について実現したいことや不安なことなどをお伝えしていきます。

不安も尽きないですが、将来の不安を解消するための意識も併せてまとめましたので参考にしてみてください。

ライターの画像

執筆:はづき

ライター。看護師として循環器・心臓血管外科病棟で働いていた。1歳の長男は心房・心室中隔欠損症あり。現在心房は自然に閉じて心室中隔欠損症の経過観察中。執筆記事一覧

【目次】

心房・心室中隔欠損があるわが子の将来について実現したいこと

2歳になった息子には、生まれつき心房・心室中隔欠損症がありますが、病気があったとしても、将来はできる限り制限をかけず、やりたいことや興味があることにはどんどんと取り組んでほしいと考えています。

実際には病気と相談しながらにはなるかもしれませんが、私自身も心配なあまり過保護になってしまわないように気をつけていきたいです。

例えば小学生・中学生になった時にはクラブ活動や部活動で激しい運動をするスポーツ部に入りたいと言われるかもしれません。その時に、親心としては心臓のことがあるので「もう少し違うクラブ活動にしたら?」と言いたくなってしまうでしょう。そこは我慢して担当の医師に確認してOKと言われたら本人の意思を尊重したいと思います。

そのスポーツを始めたことで、心臓が悪くなってしまったら?病気が悪化してしまったら?と考えると心配になりますが、そこはその時々で相談しながらやっていこうと考えています。

また、スポーツだけではなく勉強や就職などでも不安はつきものですが、主治医の判断と本人の意思で将来を決めていって、私はあくまで親として子供をサポートする立場を徹底して貫けるようにしたいです。

心房・心室中隔欠損があるわが子の将来について不安なこと

心房・心室中隔欠損があるわが子の将来について不安だと感じていることは、いつか手術をしなければならない可能性がある点と、本人のやりたいことができなかったり心疾患があるせいでいじめられないだろうかという点です。

今現在、心房中隔欠損は塞がり、心室中隔欠損症についても穴の大きさが小さくなってきており、手術の必要はなく経過をみています。ただ、心室の穴は塞がったわけではなく、小さくなっただけ。2歳になった今でも残っています。

穴は小さくなったため、心室の穴自体をふさぐ手術は不要といわれていますが、穴が開いていることによって心臓の機能が低下したり、心肥大があったり、さらに心臓の弁が悪くなった場合には手術の可能性があるといわれています。

どんどん活動量が増えていく中で、心臓の負担も大きくなっていると日々感じます。このまま活動量が増えていけば「心臓に負担がかかりすぎて、心機能が悪くなってしまわないだろうか?」「保育園で風邪をもらって心臓の負担になり、それがきっかけで手術しなければならなくなったらどうしよう?」と、大きくなるにつれ不安は増えていきます。

また、もっと大きくなって小学生、中学生になった時に心臓に負担をかけないように体育など激しい運動を休まなければならない可能性や、それに伴いいじめられないだろうか?という不安もあります。

将来について考えると、不安はつきないです。ただ、いじめなどの不安に関しては健常児の親も感じることだと思うので、あまり特別とは感じていません。でも本人が運動したいのにできない状況だったり、学校があるのに手術のため長く休まなくてはならない可能性に関しては特に不安を感じます。

【関連コラム】

心房・心室中隔欠損症があるわが子の将来の不安を解消するために

心疾患があると将来への様々な不安がありますが、その不安を解消するために私が気を付けていることは、一人で抱え込まず主治医や夫に相談することです。

一人で考えていると、どうしても悪い方向に考えがちになってしまいます。私の場合、色々と考えてしまうときは、まず身近な存在である夫に相談しています。話をするだけで気がまぎれたり、大した問題ではないと感じたりすることもありますし、夫にアドバイスを受けて納得できることもあります。

また、専門的な考え方や実際にいた心疾患の子供のことなど詳しいことは主治医に聞くようにしています。今では受診も半年に1回と少なくはなっていますが、聞きたいことはメモしておいて聞き逃さないようにしています。主治医に実際に同じ疾患でこんな子がいたよ、という話を聞くと安心できたり、将来の可能性を感じたりもできます。

元々は、生まれたときに息子は「この穴の大きさなら90%手術になる」と言われています。
それが、ここまで手術せず大きくなり「穴の大きさ的には手術は不要」と言われていること自体が奇跡だと感じています。今後、手術になるとしても息子なら手術が成功して元気になってくれると信じています。

また、病気について、本人がある程度分かる年齢になったら、しっかりと病気について話したいと思います。そして、病気を含めて長男なんだということ、全て含めて大切な存在だということを本人に伝えていきたいです。

私がしっかり病気を受け入れないと息子が病気を受け入れることは難しいと思うので、しっかり私が受け入れて、そのうえで息子に話をできるようにしていきたいと思います。息子が小さい今は、夫や主治医に相談することが不安解消に繋がりますが、大きくなったら息子にも納得してもらうことが不安解消に繋がっていくと思うのでその点も大切にしていきたいです。

心臓病があっても、それが大切なわが子

今回は、先天性心疾患があるわが子の将来について、親である私が考えていることについて紹介していきました。

私は、心臓疾患があるからと言って他の子より劣っていると思ったり自分を卑下してほしくありません。そのために長男には、心臓疾患があっても大切な存在で、それも大切な個性だということを伝えていくことが必要だと感じています。

漠然とした不安を持っていると、色々と制限をかけることにもなりかねないので少しずつでも疾患について話していきたいと思います。親として将来への不安はありますが、それは健常児を育てる親にもある感情だと思うので、過度に不安になりすぎずに長男の意思を尊重できるように関わっていきたいです。

ライター。看護師として循環器・心臓血管外科病棟で働いていた。1歳の長男は心房・心室中隔欠損症あり。現在心房は自然に閉じて心室中隔欠損症の経過観察中。