公開日 2022年8月26日 最終更新日 2024年7月12日
「心臓病があるが、仕事と治療の両立はできるのだろうか」
こういった悩みを持っていませんか?しかし必要以上に働く場所がないのではないかと悩み、ストレスを溜めることは心身の健康に悪影響です。
今回は、心臓病をもちながらも自分らしく働ける仕事を探せるよう解説します。
また、各病気ごとに向いてる仕事について詳しく解説した記事もありますので、該当する病気をお持ちの場合はこちらもご確認ください!
【目次】
心臓病とは
心臓は、血液を全身に送り出すポンプの働きをしています。心臓には4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)と、4つの弁(肺動脈弁・大動脈弁・僧帽弁・三尖弁)があり、心臓自体に酸素と栄養を含んだ血液を運ぶ血管(冠動脈)と、太い3本の枝のように分かれた血管が心臓の周りを囲んだ状態になっています。
心臓病とは、心臓の構造や働きの異常により生じる病気の総称で、主に、以下のような疾患があります。
- 先天性心疾患
- 心筋症
- 心不全
- 心臓弁膜症
- 不整脈
- 胸部大動脈瘤
- 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
心臓病の人に向いてる仕事
心臓病をもっている人に向いてる仕事には、どのような職業があるのでしょうか。
まず前提として大きなストレスがかからない、身体的に重労働ではないといったことを念頭に職業を選んでいく必要があります。
それを踏まえた上で、
- 心臓病の人に向いている仕事とは?
- 心臓病の人が働きやすい職場環境
- 障害者雇用について
ここでは、これらの3つについて解説します。
心臓病に負担がかからない仕事
心臓病をもつ人にとって、力仕事のような重労働や、大きなストレスのかかる仕事は大きな負担になります。
仕事を選ぶときに重要なことは、自分の病気について正確に把握しているかどうかです。主治医とも仕事について相談できるようにしましょう。
【心臓病に負担がかからない仕事】
- 一般事務職
- 経理
- 人事
- プログラマー・エンジニア
- Webデザイナー
- Webライター
- Webマーケター
- データ入力
- 軽作業
上記の仕事のように、業務の大半がデスクワークで、身体的な負担が少ない仕事がおすすめです。上記以外でも、編集者や内勤営業など、他にも多数の仕事が該当します。
また在宅ワークが可能であることも重要です。毎日通勤することが負担になる方はとくに、在宅ワークができるかどうかも判断基準に含みましょう。
またはとらくでは、向いて仕事を心臓病の種類ごとにそれぞれ詳しく解説しています。
心臓病の人ができない・向いてない仕事
心臓病と抱えていると、できない仕事や向いていないとされる仕事もあります。
【心臓病の人ができない・向いてない仕事】
- 肉体労働
- 強いストレスがかかる仕事
心臓病を抱えている場合、身体的、そして精神的それぞれの負担に注意して働く必要があります。肉体労働など、身体的飲強い負荷がかかると、心臓にも負担がかかりますし、ストレスも心臓病の悪化の原因となる場合があります。
またペースメーカーやICD(除細動器)を植え込んでいることでできない仕事もあります。
人によって病気の種類や症状の重さは異なるので、自分ができない仕事の具体的な情報については、主治医に確認してみてください。
ペースメーカーとICDについてはこちらの記事「ICDとペースメーカーって何が違う?それぞれの役割・機能や入れる基準をくわしく解説」心臓病とストレスの関係については、こちらの記事「心臓病とストレスの意外な関係とは?影響を受ける病気や適切な対処法も解説!」でそれぞれ詳しく解説しています。
心臓病の人が働きやすい職場環境
心臓病の人が働きやすい職場環境は、体調について配慮のある職場です。心臓病は、見た目ではわからない症状が多く、職場から理解を得ることが簡単ではありません。理解を得られないことによるストレスやさまざまな負荷により、症状が悪化する可能性も。
そのため、必ず病気について理解を示し、適切な配慮をしてくれる職場を選びましょう。労働時間や通勤方法、業務内容など、配慮が必要な場面は人それぞれですが、心臓病の人が快適に働くためには職場の協力が必要不可欠です。
身体的にも精神的にも負担が少ない職場を選ぶことで、体調を安定させながら働ける可能性がグッと高くなります。
障害者手帳を持っているなら障害者雇用がおすすめ
心臓病により障害者手帳を取得している場合は、障害者雇用での就労をおすすめします。
障害者雇用では、上記で解説した病気(障害)に対する配慮が、企業側に義務付けられています。そのため、一般雇用で働くよりも確実に配慮を受けながら働けます。
もちろん障害者手帳を持っているからといって、必ず障害者雇用枠で働かなければいけないわけではありません。しかし障害者雇用制度を活用することで、より安心して働けます。
また、現時点で企業で働くことが難しいという方は、就労継続支援や就労移行支援を活用しましょう。
心臓病で障害者手帳を取得する方法については、こちらの記事「心臓疾患の人は障害者手帳を持つべき?メリットや申請方法について解説」障害者雇用については、こちらの記事「【2024年最新】障害者雇用の現状と課題【SDGs】」で解説しています。
【関連コラム】
心臓病の人が転職するためには
心臓病の人が転職するときに大切なことについて解説します。
転職するときに利用できるサービス
まず転職活動をするときは、自分1人の力だけで行うよりも、適切なサービスを活用する方が効率的に、自分に合った職場を探せます。
【利用できるサービス】
- ハローワーク
- 就労移行支援事業所
- 転職エージェント
ハローワークは、公的な転職支援です。求人の紹介を中心に、転職活動の支援を無料で受けられます。
就労移行支援事業所は、障害や難病を持った人を対象にした就労支援サービスで、転職に必要なスキルや知識を学びながら転職活動を行えます。
転職エージェントは、民間企業が運営する転職支援サービスで、サービス内容はハローワークと似ています。また転職エージェントの中には、障害者雇用に特化したサービスも多数あるため、障害者雇用で働きたい場合は、障害者雇用専門の転職エージェントを利用しましょう。
転職先は心臓病に悪影響がない職場を選ぶ
転職先は、必ずご自身の心臓病に悪影響がない職場を選びましょう。
特に職場環境は重要です。先ほども解説したように、心臓病を持った人が働くためには、職場の理解が必須です。労働時間や休みなど、働く上で必要な配慮をもらえる職場を選びましょう。
また職種も注意が必要です。業務内容によっては、心臓に負担がかかったり病状の悪化につながったりすることもあるので、主治医と相談しながら、自分に向いてる仕事を選びましょう。
転職については、こちらの記事「心臓障害(心臓病)の方が転職すべき職場とは?体に負担をかけずに働く方法やおすすめの仕事を解説」で詳しく解説しています。
治療と仕事を両立するためには
心臓病を持った方が働くためには、労働と治療を両立しなければいけません。
心臓病の治療と仕事を両立する方法
そしてそのためには、職場の協力と本人の行動が必要不可欠です。
まず治療のために定期通院が必要な場合は、入社する時点でそのことを職場に伝え、決められた期間ごとに通院できるよう休みを取得しましょう。また服薬が必要な場合は、副作用の有無や服薬するタイミングについても伝えておきましょう。
適切な治療を続けられるかどうかは、最終的に本人の責任になります。仮に体調が落ち着いているからといって、通院や服薬を疎かにしてはいけません。
主治医の指示を守り、適切な治療を継続しましょう。
治療のために仕事を休むときに大切なことについては、こちらの記事「通院のために仕事を休んでも大丈夫?休むためには職場からの理解が大切!」で解説しています。
休職してから仕事復帰するのも選択肢の1つ
心臓病の発症や悪化によって、仕事の継続が難しくなってしまうこともあります。その場合は、休職して治療に専念することも選択肢の1つです。
一度休職し、症状が落ち着き、主治医から復職の許可が出たタイミングで仕事復帰をすることで、悪化のリスクを軽減できます。
休職と復職については、こちらの記事「休職したら終わりって本当?休職から復職までの流れや休職中の給与について解説」「心臓病患者の休職から復職するまでの流れを解説!注意点と使える制度も紹介」でそれぞれ解説しています。
心臓病があっても、仕事と治療の両立はできる
心臓病の治療には、通院や服薬が必要です。そして、治療と仕事を両立させるためには、職場の理解が重要です。
また体調を悪化させないためには、心身への負担が大きい仕事を避けて、自分に向いてる仕事を選ばなければいけません。
仕事を選ぶときは、向いてる職種と理解のある職場環境、この両方が叶う仕事を選びましょう。